尾形光琳の作品、「国宝 紅白梅図屏風」(18世紀前半、MOA美術館所蔵)を基につくった絵を、引き出したVHSのビデオテープでドローイングした。使用したビデオソフトは、ドキュメント「真珠湾攻撃、そして原爆」と「東京原発」(2002)という風刺喜劇映画。
「紅白梅図屏風」の屏の一字をとることで、『~風な』というタイトルにした。英字タイトルの「Take me to tomorrow.」は、「カントリー・ロード」で有名なジョンデンバーの曲のタイトル。
そろそろ役割を終え忘れられてしまいそうな、そろそろ寿命でもうすぐただのゴミと化す、でも自分の時代に活躍したメディア、ビデオテープ(1)で、忘れてはいけない出来事を描いた。今回描いた内容は人々にとっては忘れてはいけない事故の記憶の絵、または原発や軍隊を宝物にしたいと思っている人の国の絵。
伝統的な日本の表現とマンガやアニメーションの表現の類似性は今さら指摘するまでもない事である。出力形式が持つ仕様から似たような表現に行き着いたのであるのが主な理由であるのだが、時代が違えど同じような表現にたどり付いたわけだから、どっちも日本らしい表現と言えるのだろう。爆発やキノコ雲の表現はマンガ家の大友克洋(2)のものを、カミナリやそれっぽいエフェクト表現はアニメーション作家の金田伊功(かなだ よしのり)の表現を借りた。平井和正の「幻魔大戦」(1983)のアニメ映画化のときのキャラクターが大友克洋でアニメーターが金田伊功。なので、別のタイトルをつけるとしたら「幻魔大戦」か。
しかも、38年振りの「気分はもう戦争」の続編。本家の描く、新作爆発シーンに歓喜。
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鈴木吾郎と新鋭作家展
〜時を紡いで〜
2019年5月18日(土)〜7月15日(月・祝)
9:30〜17:00(入館は16:30)
休館日 月曜(7月15日除く)
市立小樽美術館
〜時を紡いで〜
2019年5月18日(土)〜7月15日(月・祝)
9:30〜17:00(入館は16:30)
休館日 月曜(7月15日除く)
市立小樽美術館
出品作家
鈴木吾郎・秋山一郎・伊勢かがり・上嶋秀俊・大原央聡・
奥井 理(故人)・Kit_A・鈴木比奈子・平埜佐絵子・藤枝由美子
奥井 理(故人)・Kit_A・鈴木比奈子・平埜佐絵子・藤枝由美子
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「紅白梅図風 〜Take me to tomorrow」2019 2100×2600mm2枚組 |
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